The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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脳卒中患者における自覚的視性垂直位と静止立位時バランスとの関連
當山 峰道大高 洋平荒木 康智數田 俊成近藤 国嗣里宇 明元
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2011 年 48 巻 4 号 p. 263-269

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抄録

脳卒中患者の自覚的視性垂直位(SVV)偏位とバランス・ADL障害との関連が指摘されているが,立位バランスとの関連はよく分かっていない.そこでSVVと静止立位時バランスの関係を検討した.対象は脳卒中患者29 名で,被験者が垂直と思う方向と重力方向とのずれ角度を8 回測定しその平均をSVV値とし(非麻痺側正),各回のずれの絶対値平均をSVV絶対値とした.SVV値,SVV絶対値と立位時重心動揺計の単位軌跡長,外周面積,実効値,非麻痺側下肢荷重比の関係をスピアマンの相関係数を用いて検討した.SVV値,SVV絶対値の平均は—0.3±2.3°,2.0±1.5°で,SVV値と各指標に有意な相関を認めず,SVV絶対値と単位軌跡長(r=0.44),外周面積(r=0.41),実効値(r=0.46),非麻痺側下肢荷重比(r=0.40)に有意な相関を認めた.よってSVV偏位の大きさが脳卒中の立位バランスと関連している可能性が示唆された.

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© 2011 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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