The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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半側空間無視患者の介護者を対象とした介護指導の効果について
田村 正樹野田 和惠種村 留美
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2016 年 53 巻 11 号 p. 872-877

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抄録

 目的:基本動作の介護負担が大きい半側空間無視(USN)患者の介護者に対して,基本動作の介護方法とUSNへの介入を指導することで介護者の介護負担,QOL,抑うつ度,患者のUSN,認知機能,ADLに改善が得られるかを示すことである.
 方法:アンケート調査の結果から基本動作時の介護負担が大きい4名の介護者に対して各2回の指導を行い,1カ月後の介護者のJ-ZBI,SF-36,GDS,患者のBIT,CBS,MMSE,FIMの結果を比較した.
 結果:指導により介護者のJ-ZBI,SF-36,GDSの結果では,個人差があるものの改善を認めた.一方,USN患者に関しては,CBS病識失認得点からUSNに対する気付きに改善を認めることが示唆された.さらに,MMSEから認知機能の改善が示唆された.
 結論:基本動作の介護負担が大きいUSN患者の介護者に各2回の指導を行い,毎日の介護場面やADL場面で実施することは介護者の介護負担,QOL,抑うつ度,USN患者の病識への気付きや認知機能に対して効果的な介入である可能性が示唆された.

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© 2016 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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