超高齢社会において健康寿命の延伸や介護予防のためには,移動機能を主とした身体機能の低下をきたすロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)に対する対策のみならず,心理・精神的な問題や社会的な問題を含めて高齢者の抱える問題を包括的に捉えるフレイルという観点や,筋肉を移動のための動力源としてのみでなく,広く全身状態の関連性の中で捉えるサルコペニアの視点は大変重要となる.フレイル,サルコペニアの予防はロコモ対策と同様に運動指導(レジスタンス運動+有酸素運動)と分岐鎖アミノ酸やビタミンD摂取を促す食事栄養指導が大切であるが,服用薬の見直しや認知症機能や社会的な問題を含めた多科,多職種の連携で対策を立てることも必要となる.