2016 年 53 巻 7 号 p. 529-533
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis,以下ALS)について,そのエビデンスレベルは多施設治療試験での電気生理学的endpoint研究がIbレベルである以外は,臨床疫学,病理学,生化学,免疫学,遺伝子研究はII~IIIレベルにとどまっている.
告知はなるべく早期に行うべきと考える.ALSの進行は千差万別でありALSの全経過を見渡したとき重要なターニングポイントが存在する.そのターニングポイントとなる時期の対応について留意すべきである.特にコミュニケーションは,「人と人が意思を疎通する営み」として,さまざまな活動の根幹を担っており,伝達手段の確保は日常生活を送るうえで必須な条件である.「意思を伝える」のほかに「感情や思想を共有する」といった側面がある.