The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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原著
運動器リハビリテーションを受けた軽度要援護高齢者の自宅退院後の日常生活動作(ADL)変化と関連要因
阿部 俊輔萩原 明人
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2017 年 54 巻 2 号 p. 146-157

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抄録

目的:自宅退院後のADLに関連する要因を明らかにすること.

方法:自宅に退院した運動器関連疾患の高齢者88名を追跡調査し,FIMの変遷に関連する要因を検討した.

結果:受傷前FIMへの到達に関連する要因は,退院後1週目は運動頻度(OR=1.41),退院後1カ月目は運動頻度(OR=1.27),退院後3カ月目は退院時の受傷前FIMへの到達(OR=3.96),自己効力感(OR=1.16)であった.また,ROC解析の結果,受傷前FIMへの到達に関連する要因は,退院後1週目では運動頻度(カットオフ値=1.5),1カ月目では運動頻度(カットオフ値=1.0),3カ月目では自己効力感(カットオフ値=31.5)であった.退院後早期から週2日以上の運動を継続していた者は,週2日未満の者に比べて,FIM総得点の予後が良好な傾向がみられた.

結論:退院後早期における運動の確保が退院後の予後の改善につながる可能性が示された.

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© 2017 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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