2017 年 54 巻 7 号 p. 494-499
脳卒中においては装具処方の機会は多いが,最良の選択はしばしば困難である.障害評価に基づき最良のリハビリテーション医療を行うという活動目標のために,装具療法においても急性期から回復期,生活期に至るまで,変化する障害に対して評価を行い,適合だけでなく,予後予測やアドヒアランスも勘案して,装具の適応を決めていく必要がある.生活期の装具のフォローアップシステムは,活動し続ける体を保持するために,生きているときを活かす大切な手段であり必須であるが,不完全である.生活期の装具療法の長期アウトカムに結びつく装具処方・装具療法のエビデンスが期待される.