2017 年 54 巻 8 号 p. 574-578
Hybrid Assistive Neuromuscular Dynamic Stimulation(HANDS)therapyは,脳卒中片麻痺患者における上肢機能を改善させる目的に開発された新たな治療法で,随意運動介助型電気刺激装置と上肢装具を1日8時間装着し,3週間行う治療である.中等度~重度の上肢麻痺において有意な上肢機能の改善ならびに日常生活での実用性を改善させることが可能である.機序に関しても脊髄相反性抑制の改善,運動野皮質内抑制の脱抑制などが電気生理学的に確認されている.近年は外来でのプログラムも開発され,またbrain machine interfaceとの併用により,重度片麻痺患者においても実用性の改善が認められている.