The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
Online ISSN : 1881-8560
Print ISSN : 1881-3526
ISSN-L : 1881-3526
特集『嚥下障害に対する新たなアプローチ』
摂食嚥下運動の神経学的基盤
山脇 正永
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 54 巻 9 号 p. 652-656

詳細
抄録

嚥下運動は高度に組織化されたsequentialな運動であり,随意的要素および不随意的要素が混在したものである.その神経系のプロセスとしては,口腔内をはじめとする感覚入力,食認知・食欲を含めた認知機能,さまざまな情報の統合・分析,感覚フィードバックを含む嚥下運動,の要素からなり,延髄のみならず大脳も関与している.臨床的には,このプロセスの異常の部位によって,異なるパターンの嚥下障害をきたすことが知られている.現在の医学では,嚥下障害の治療およびリハビリテーションは困難を極めることが多いが,嚥下運動の神経学的メカニズムのいっそうの解明により,新たな治療法・リハビリテーション法の開発が期待される.

著者関連情報
© 2017 社団法人 日本リハビリテーション医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top