The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
Online ISSN : 1881-8560
Print ISSN : 1881-3526
ISSN-L : 1881-3526
特集『リハビリテーション医療における補完代替医療の可能性』
嚥下障害に対する鍼治療
菊地 章子金子 聡一郎高山 真
著者情報
キーワード: 嚥下障害, 鍼灸, 円皮鍼, 経穴
ジャーナル フリー

2018 年 55 巻 12 号 p. 978-983

詳細
抄録

嚥下障害に対する鍼灸治療に関して,海外では有効性を示した研究報告が数々報告されている.鍼灸治療は基本的に患者の状態に応じて治療法を選択するオーダーメイド医療であるため治療の標準化は難しい.本邦では主に太渓と足三里という下肢の経穴に刺激を加えることで嚥下反射が改善するという研究が報告されている.一般の医療・介護施設で通常の鍼灸治療を行うことはさまざまな面で困難を伴うが,簡便に用いることのできる円皮鍼が有用となる可能性がある.鍼灸治療の作用機序はいまだ十分に解明されておらず,鍼灸が嚥下障害に対する治療法の選択肢として広く認識されるには,今後さらに研究を進め,臨床経験を蓄積することが必要である.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top