The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『エビデンスに基づく経頭蓋磁気刺激(TMS)治療』
発症早期脳卒中におけるrTMSの効果
佐々木 信幸
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2019 年 56 巻 1 号 p. 28-32

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抄録

反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)は脳卒中発症早期においても有効である.症状の改善のみならず,神経死の進行に抑制的に働く可能性についても報告されている.発症早期には非病巣側大脳の過活動が不十分なため,上肢麻痺に対しては病巣側大脳への高頻度rTMSのほうが有効な可能性があるが,下肢麻痺に対しては慢性期と同様の手法でよい.また,前頭葉への高頻度rTMSはアパシーに対し有効と考えられ,アパシーが原因ですべてのリハビリテーション治療が進まないような症例にはこのrTMSを優先することも検討される.Early seizure,特に非痙攣性てんかんには十分注意が必要であるが,リスクを管理したうえであれば発症早期からのrTMS利用は非常に有用と考える.

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© 2019 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
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