2019 年 56 巻 2 号 p. 150-157
目的:本研究の目的は,健常成人を対象に咳のピークフロー(cough peak flow:CPF)を測定し,臥位姿勢と随意的咳嗽力の関係を明らかにすることである.
方法:健常成人50名を対象に,背臥位,腹臥位,腹部に枕を挿入した腹臥位(以下,枕腹臥位)の3肢位でCPF,最大吸気時胸郭周径,最大呼気時胸郭周径,胸郭拡張差,血圧,脈拍数を測定した.
結果:CPF,最大吸気時胸郭周径,最大呼気時胸郭周径は背臥位より枕腹臥位で有意に高値を示した.胸郭拡張差,血圧は有意差を認めなかった.脈拍数は背臥位より腹臥位,枕腹臥位で有意に高値を示した.
結論:本研究の結果,枕腹臥位では随意的咳嗽力が向上することが示唆された.