The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『運動失調とリハビリテーション医学』
非侵襲的小脳刺激による運動失調治療の可能性
小金丸 聡子
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2019 年 56 巻 2 号 p. 122-129

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抄録

運動失調に対する小脳への非侵襲的脳刺激(NIBS)の治療応用は十分なエビデンスがあるとはいえない.小脳構造・ネットワークの特異性を踏まえると,経頭蓋磁気刺激(TMS)・経頭蓋直流電流刺激(tDCS)の効果は一様ではない可能性がある.しかしながら,NIBSの効果に関する報告は複数ある.また,自験例では小脳・大脳皮質ペアTMSを施行したところ失調小脳の改善を認めている.小脳やそのネットワークの賦活を目的に,刺激パラメータ,刺激プロトコルを十分に検討すれば,NIBSによる運動失調治療は有望であると考えられる.

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© 2019 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
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