2020 年 57 巻 9 号 p. 774-780
現在の脳卒中リハビリテーション領域の上肢機能関連研究においては,Fugl-Meyer Assessment(FMA)とAction Research Arm Testが重要な位置を占めている.両ツールともに,本邦における使用環境も整っており,通常の臨床業務での利用も推奨される.仮にFMAの実施時間が負担になるのであれば,短縮版FMAを導入することで,臨床業務とのバランスが取れる可能性がある.臨床研究デザインを評価視点で一段階引き上げたい場合には,適切な信頼性が確認された遠隔評価システムの導入を検討することによって,評価者盲検化を達成できる可能性がある.