2022 年 59 巻 5 号 p. 490-495
非侵襲的に脳可塑性を誘導する手法である経頭蓋磁気刺激の1つであるpaired associative stimulation(PAS)は,末梢刺激部位とその中枢皮質への伝達にかかる時間にあわせて皮質への磁気刺激を行うことにより,当該脳部位の活動電位を増強/抑制し,脳可塑性を誘導する.初めてヒトへの応用が紹介された初期には一次運動野,感覚野への刺激に限られていたが,現在はそのターゲット部位は多様化し,診断・評価に応用されつつある.刺激間間隔,プライミングとなる条件を調整することにより,今後はリハビリテーション治療への応用が期待されている.