論文ID: 20008
血液透析患者における身体不活動は予後と関連するため,運動習慣の定着化を図るために,その要因を明らかにする必要がある.本研究は血液透析患者の運動習慣に関連する要因を明らかにするために,外来維持血液透析患者104名を対象に運動習慣を主要アウトカムとする横断研究を実施した.調査項目は,運動習慣(transtheoretical model:TTM),血液データ,セルフ・エフィカシー(self efficasy:SE),身体機能評価としてShort Physical Performance Batteryと握力,栄養指標,透析状況を透析期間,除水量,標準化透析量(Kt/V)とした.そしてTTMを従属変数として重回帰分析を行った結果,TTMに関連する要因としてSE,年齢,Kt/Vが抽出された(R2=0.34,p<0.05).運動習慣の獲得には,SEおよび透析条件を考慮する必要がある.