論文ID: 25012
目的:本研究では複合現実(mixed reality:MR)の技術を利用し歩行時二重課題を実施することで運動機能面と注意機能面の要因解析を併せ持った新たな行動学的検査法の開発を目的とした.
方法:本ツールはMRで眼前の空間内に提示される数字等の標的を発見しながら順番に歩行する課題である.標的の数等の標的のパターンを変化させ各条件での遂行時間を若年健常者にて比較分析した.他の評価項目として「Trail Making Test日本語版(TMT-J)」「Timed Up and Go Test(TUG)」を行い,本ツールとの関連性を調べた.
結果:各条件による比較では,標的1個当たりの遂行時間が,標的の数が15個で4.23±0.53秒,20個で4.32±0.57秒,25個で4.51±0.80秒となる等,難易度が高いと考えられるパターンにおいて有意な増加がみられた(p<0.05).また本ツールと紙面で行うTMT-J Part A・Bとの間に有意な相関がみられる項目があった.
結論:本ツールが注意機能を評価することが可能な評価ツールであることを示す結果となった.若年者での難易度設定も可能であり,今後は高齢者に最適な条件による詳細な評価を行い検査法の確立を目指す.