論文ID: 25017
目的:本研究では,Light Gradient Boosting Machine(LightGBM)を用いて退院時の歩行自立予測モデルを構築し,SHapley Additive exPlanations(SHAP)解析によって各特徴量の寄与度を明らかにすることを目的とした.
方法:リハビリテーション治療患者307名を対象に,退院時Functional Independence Measure(FIM)移動得点を目的変数,入院時の身体機能・認知機能などの31項目を説明変数としてLightGBMモデルを構築した.Optunaでハイパーパラメータを調整,層化分割によって訓練・検証・テストデータセットに分割した.さらに,SHAP値を用いて特徴重要度を評価し,特徴間の相互作用も検討した.
結果:テストデータにおけるモデルのROC曲線下面積は0.95と高い精度を示した.FIM合計点(FIM18項目の合計),FIM記憶,認知機能,膝伸展筋力体重比,排尿コントロールなどが予測に重要な特徴量であった.FIM合計とFIM記憶の相互作用解析では,FIM合計100以下では認知機能が,それ以上では身体機能が歩行自立に寄与することが示された.
結論:LightGBMを用いた歩行自立予測により,FIM合計点や認知機能,下肢筋力と排尿コントロールの相互作用などが歩行自立に影響する重要因子として明らかになった.また,機械学習アルゴリズムによる膨大な計算を通じ,これまで臨床現場では見落とされていた歩行に関わる未知の重要因子や特徴間の相互作用が抽出可能となった.これらの知見は,個々の患者に対して歩行自立に必要な因子の特定に寄与し,より個別化されたリハビリテーション治療計画策定に役立つ可能性が示唆された.