2025 年 14 巻 4 号 p. 159-164
吸入療法は気道疾患の重要で基本的な治療法にも関わらず,吸入方法に関する科学的な解析がほとんど行われておらず,ガイドラインにも明確な記述は存在しない.これまで解析した定量噴霧吸入器のエアロゾル化率や粒度分布,エアロゾル噴霧速度,またドライパウダー吸入器のエアロゾル化率や粒度分布,吸気抵抗の結果から,標準的な吸入方法として,「ゆっくりと深く息を吐き〈肺活量(L) の秒数を目標〉に深く息を吸い,数秒間息止めをする」こと,すなわち1L/secの吸気流量を目標に吸入を行うことを提案する.