日本胸部疾患学会雑誌
Online ISSN : 1883-471X
Print ISSN : 0301-1542
ISSN-L : 0301-1542
胸部X線写真で成立過程を観察しえた Swyer-James 症候群の1例
長尾 啓一内山 寛子山岸 文雄瀧沢 弘隆渡辺 昌平杉本 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 19 巻 11 号 p. 885-890

詳細
抄録
8才男子, 4才時肺炎に罹患, 以後感冒症状を呈しやすくなった. 昭和55年8月感冒症状出現, 胸部X線写真にて血管陰影の狭細化を伴う左側肺野の hyperlucency および肺門陰影の縮少ならびに心陰影の左側偏位が誘められ, 精査のため入院した. 81mKrによる肺血流, 換気スキャンにて左側肺の血流, 換気ともに減少. 左気管支造影では末梢部が造影されにくく, 全体に同筒状の拡張像が認められた. 肺動脈造影では肺門部に狭窄, 閉塞を示さず, 末梢部での狭小化が主所見で Swyer-James 症候群と診断した. Retros pective に胸部X線像を観察すると, 本例では肺炎罹患後約9カ月で本症の特徴的所見が形成されていた.
著者関連情報
© 日本呼吸器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top