抄録
モルモットを用い, 血液中の血管作動性物質とくにヒスタミン, セロトニン, angiotensin converting enzyme (ACE) 活性値におよぼすたばこ煙と低酸素血症の急性効果について検索した. 血漿中ヒスタミン値は, たばこ煙負荷により有意に上昇したが低酸素負荷では不変であった. 血漿中セロトニン値は, たばこ煙負荷により有意に上昇したが, 低酸素負荷では不変であった. 一方, 血清中ACE活性値は, たばこ煙負荷により上昇する傾向を示したが有意ではなく, 低酸素負荷では不変であった. 以上の実験成績から, 短時間の喫煙でも血中の液性因子が変動する可能性が示唆された.