日本胸部疾患学会雑誌
Online ISSN : 1883-471X
Print ISSN : 0301-1542
高齢者肺炎の臨床病理学的研究
鈴木 幹三岸本 明比古山本 俊幸足立 暁山本 和英白井 智之
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 24 巻 10 号 p. 1078-1082

詳細
抄録

剖検で確認した高齢者肺炎102例を臨床病理学的に検討した. 60歳以上の剖検180例中102例 (57%) に肺炎が認められ, このうち53例 (52%) は肺炎が直接死因となった. 基礎疾患は脳血管障害後遺症, 心疾患が大半を占めた. 病理学的な肺炎病巣の拡がりは肺炎死因率と正の相関を示した. 肺炎は両下葉および右上葉に好発し, 病理学的に炎症病変は巣状分布を示す例が最も多く, これらのなかに沈降性肺炎, 嚥下性肺炎の関与する例がみられた. 大葉性肺炎, 嚥下性肺炎, 肺化膿症は直接死因となる頻度が高く, 肺うっ血水腫は49%にみられた. 病変発現部位では, 肺胞性肺炎が70%を占め, 混合型肺炎は10%であった.

著者関連情報
© 日本呼吸器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top