日本胸部疾患学会雑誌
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肺癌に対するTPAの再評価-IRMA法による基礎的検討および臨床的意義-
鈴木 清レシャード カレッド秋山 仁一郎糸井 和美平田 敏樹室 恒太郎
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1989 年 27 巻 6 号 p. 703-711

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抄録
呼吸器疾患患者の血清TPA値を新しく開発された IRMA (Immunoradiometric assay) 法にて測定し, 従来用いていた二抗体法と比較検討した. 両測定法間には高い正の相関が得られ (r=0.7566, p<0.05), 両法の測定値には一致するものが多く認められたが, 非腫瘍性疾患患者群については, IRMA法は陽性率, 平均値ともに二抗体法と比べて有意に低値を示した (p<0.01). これは, IRMA法がより特異性の高い測定法であることを示すものと思われた. また, cut of 値を110u/lとした場合, 原発性肺癌199例, 非腫瘍性疾患495例のIRMA法の感度は54.8%, 特異性は85.1%, 正診率は76.9%であり, 組織型分類では50~60%の平均した陽性率を示し, 広い組織型スペクトルを有し, 日常臨床においてより信頼性の高いマーカーであると思われた.
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© 日本呼吸器学会
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