抄録
気管支肺胞洗浄法を用いて, 細菌性肺炎患者の肺胞洗浄液中の細胞成分の分析, およびエラスターゼとα1アンチトリプシンとの均衡状態の定量を行ない, 正常非喫煙者と比較した. 肺炎患者の肺においては, 好中球の集積が特徴的であった. また肺胞洗浄液中のα1アンチトリプシンはその活性を失っていることが明らかとなった. さらに肺胞洗浄液中にエラスターゼ酵素活性を検出し, エラスターゼ負荷の増加していることが明らかとなった. 以上より肺炎患者においてはエラスターゼとα1アンチトリプシンの均衡状態が崩れていることが判明した.