日本胸部疾患学会雑誌
Online ISSN : 1883-471X
Print ISSN : 0301-1542
ISSN-L : 0301-1542
細菌性肺炎患者の肺胞洗浄液におけるエラスターゼとα1アンチトリプシンの均衡状態
藤田 次郎豊後 雅巳秦 ゆうき中村 洋之塩谷 泰一入野 昭三
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 27 巻 6 号 p. 712-717

詳細
抄録
気管支肺胞洗浄法を用いて, 細菌性肺炎患者の肺胞洗浄液中の細胞成分の分析, およびエラスターゼとα1アンチトリプシンとの均衡状態の定量を行ない, 正常非喫煙者と比較した. 肺炎患者の肺においては, 好中球の集積が特徴的であった. また肺胞洗浄液中のα1アンチトリプシンはその活性を失っていることが明らかとなった. さらに肺胞洗浄液中にエラスターゼ酵素活性を検出し, エラスターゼ負荷の増加していることが明らかとなった. 以上より肺炎患者においてはエラスターゼとα1アンチトリプシンの均衡状態が崩れていることが判明した.
著者関連情報
© 日本呼吸器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top