日本胸部疾患学会雑誌
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Mycobacterium kansasii 症の臨床像 -肺結核症, Myocbacterium avium complex 症との比較を含めて-
松下 葉子新実 彰男田中 栄作網谷 良一倉澤 卓也川合 満久世 文幸
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1993 年 31 巻 12 号 p. 1507-1514

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抄録
当科で経験した肺 M. kansasii 症6例につき検討した. 年齢は26~51歳 (平均39.6歳) で全例男性であった. 全身, 肺の基礎疾患を有する例はなかった. 胸部X線およびCTで, 病巣はS1, S2に好発し (右S1・S24例, 左S1+21例, 左下葉1例), 比較的薄壁で散布巣の少ない単発空洞病変を呈した. 薬剤感受性はほぼ一定のパターン (TH, CS, EB, RFPに高感受性) を示し, 6例中5例はRFPを含む3~4剤による治療で良好な経過をとった. しかし残る1例はINH, RFP, EBの1年間の投与で改善が得られず, 外科的治療を要した. 6例の臨床像を, 当科で経験した肺結核症112例, M. avium complex 症51例のそれと比較すると, 本症と肺結核症は, 比較的若年で男性例が多い傾向がある, 病巣はS1,2・S6に好発しかつそこに限局する例が多く2葉以上におよぶ例は少ない, という共通する特徴を有していた. 結核が強く疑われる症例でも本症の可能性を忘れず, 菌の培養, 同定を確実に行う必要がある.
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