日本胸部疾患学会雑誌
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原発性アルドステロン症の合併が増悪因子と考えられた閉塞型睡眠時無呼吸症候群の1例
井上 義一伊賀瀬 道也大塚 知明横山 彰仁河野 修興日和田 邦男
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1994 年 32 巻 3 号 p. 288-292

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抄録

60歳, 女性. 肥満, 高血圧, 糖尿病, 昼間の傾眠傾向, 無呼吸を認めていたが, 全身浮腫, チアノーゼを伴うようになり近医で呼吸不全, 右心不全を指摘され, 当院へ転院した. 入院時低カリウム血症 (2.1mEq/l), 低酸素血症 (PaO22 4.4mmHg) を認めた. 左副腎腫瘍を認め, 精査の結果, 原発性アルドステロン症に合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断した. 原発性アルドステロン症に基づく代謝性アルカローシス, 低カリウム血症, 体液量増加が呼吸不全, 右心不全増悪の一因と考えられた. 電解質補正, 体重減少, 副腎腫瘍摘出術により睡眠時無呼吸症候群の臨床症状は軽快した.

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