日本胸部疾患学会雑誌
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ED046による間質性肺炎症例の血清KL-6値の検討
北村 諭日和田 邦男小林 淳河野 修興河合 忠佐藤 篤彦粕川 禮司川上 義和安藤 正幸中田 紘一郎井上 洋西伊藤 幸治松島 敏春小倉 剛荒川 正昭山木戸 道郎
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1996 年 34 巻 6 号 p. 639-645

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抄録

KL-6はII型肺胞上皮などに発現する糖蛋白抗原で, 活動性の間質性肺炎症例の血清で高値を示すことが知られている. 多施設の共同研究として間質性肺炎症例において測定キットED046を用いた血清KL-6値の検討を行った. 対象症例の総数は649例であり, 健常対照群185例, 非間質性肺炎症例277例, 間質性肺炎症例187例の血清KL-6値はそれぞれ222±96, 307±232, 1,285±1,196U/mlであった. 間質性肺炎症例の中で臨床的に活動性と判断された98例のKL-6値は1,708±1,338U/mlで, 非活動性の症例の値820±796U/mlと比較して有意に高値であった (p<0.0001). また血清KL-6値はCRP, LDHと有意の正の相関を, PaO2と有意の負の相関を示した. 以上よりED046による血清KL-6値は間質性肺炎の活動性を評価する上で有用な指標となり得ることが示唆された.

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