日本胸部疾患学会雑誌
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鳩による慢性過敏性肺炎の1例
吉村 信行野寺 博志大河内 稔新 謙一月本 光一別府 穂積松原 修中谷 行雄吉澤 靖之
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35 巻 (1997) 10 号 p. 1067-1073

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抄録

症例は64歳, 女性. 35年前から60羽の鳩を自宅の庭で飼育していた. 8年前の健診で胸部X線写真上, び慢性粒状網状影を指摘された. 以後原因不明の肺の線維症として外来フォローされていたが, 乾性咳嗽と労作時息切れが出現したため精査入院となった. 胸部CTでは区域性の拡がりを示す蜂窩肺形成および気管支拡張所見を認めた. 気管支肺胞洗浄液では, Pigeon Dropping Extracts に対する抗体と鳩血清添加リンパ球の blastogenic response が強陽性を示した. 胸腔鏡下肺生検では, 細気管支炎, 胞隔炎, 小葉中心性の蜂窩肺形成を認めた. 以上より鳩による慢性過敏性肺炎と診断した.本例のごとく急性期のエピソードがない慢性過敏性肺炎は診断が難しく気管支拡張症や特発性間質性肺炎等と診断されている例も多い. 肺に線維化をきたす症例に遭遇した場合, 慢性過敏性肺炎も念頭におき, 鳥の飼育歴を含めた生活歴, 職業歴を聴取することが重要である.

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