日本胸部疾患学会雑誌
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低酸素換気応答におけるドパミンの役割 -中枢神経系と末梢化学受容体における差異について-
長内 忍秋葉 裕二松本 博之中野 均菊池 健次郎
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1997 年 35 巻 12 号 p. 1318-1323

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抄録
低酸素負荷時の末梢化学受容体および中枢神経系におけるドパミン (DA) の役割を検討するため, 麻酔ウサギの換気応答をDA受容体刺激薬とDA受容体拮抗薬を使用して検討した. 本研究では末梢化学受容体求心線維 (頸動脈洞神経) 温存群と切断群について, 恒常法 (FIO2=0.10, 3分間) による低酸素負荷を行い, 横隔神経電位を呼吸出力の指標として低酸素換気応答 (HVR) を評価した. 次に, DA受容体刺激薬 (アポモルフィン, 0.3mg/kg, i. v.) およびDA受容体拮抗薬 (ハロペリドール, 0.5mg/kg, i. v.) 投与後のHVRについて検討した. 温存群におけるHVRはアポモルフィン投与によって減弱する傾向があり, ハロペリドール投与により増強した. 一方, 切断群では低酸素負荷後に負荷前よりも横隔神経電位は低下した. この抑制はアポモルフィン投与による影響を受けなかったが, ハロペリドール投与により抑制の程度が増強した. 以上より, ドパミンは, 末梢化学受容体においてはHVRを減弱し, 中枢神経系ではHVRを増強すると推測された.
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© 日本呼吸器学会
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