日本胸部疾患学会雑誌
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鼻病変を合併した気管・気管支アミロイドーシスの1例
小林 哲田口 修安井 浩樹畑地 治吉田 正道小林 裕康足立 幸彦Esteban C. Gabazza
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1997 年 35 巻 12 号 p. 1378-1382

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抄録

症例は50歳, 男性. 鼻閉で発症. 近医で加療されるも改善なく来院. 胸部X線像にて左下肺野に浸潤影を認め, 胸部CTスキャン像では気管から気管支にいたる全周性の壁肥厚を認め, 左下肺野に気管支狭窄による二次性変化と思われる炎症性変化を認めた. 気管支鏡検査で粘膜の発赤・腫脹を認め一部気管支では尖形狭窄様であった. 気管支粘膜生検組織では Congo red で染まる無構造様物質の沈着があり, 過マンガン酸カリ処理に抵抗性でかつ免疫グロブリンL鎖のλ鎖に陽性でALλ型の気管気管支アミロイドーシスと診断. また, 下鼻甲介腫瘤があり切除標本で気管粘膜と同様の病理組織変化を認めた. 鼻腔内病変を伴った気管・気管支アミロイドーシスは非常に稀である.

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