日本胸部疾患学会雑誌
Online ISSN : 1883-471X
Print ISSN : 0301-1542
ISSN-L : 0301-1542
肺好酸球性肉芽腫症3例の臨床的検討
松山 航溝口 亮岩見 文行廣津 泰寛川畑 政治納 光弘
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 35 巻 12 号 p. 1407-1412

詳細
抄録

症例1は26歳女性. 18歳時に気胸で当院入院し肺好酸球性肉芽腫症 (以下肺EG症) の診断を得た. 手術にて気胸治癒し呼吸困難消失, 21歳時より通院自己中止し喫煙を開始, 結婚し2児の母となる現在も寛解を得られている. 症例2は27歳男性. 20歳時より喫煙していたが23歳時気胸で当院入院し肺EG症の診断を得た. 気胸治癒し呼吸困難消失, 外来通院していたが25歳時より通院自己中止, 以後喫煙再開したが27歳の現在寛解が保たれている. 症例3は20歳男性. 喫煙経験なし. 21歳時に気胸にて当院入院, 肺EG症の診断を得た. 同時に尿崩症も指摘された. 気胸治癒後も呼吸困難持続するためプレドニンの内服を開始し呼吸困難改善, 以後漸減し現在プレドニン内服していないが寛解を得られている. 肺EG症は比較的希で今後も症例の蓄積が必要な疾患である. 今回我々は特徴的な経過を辿った肺EG症の3例を比較的長期に観察しえたので報告する.

著者関連情報
© 日本呼吸器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top