1997 年 35 巻 3 号 p. 322-327
22歳男性に発症した特発性間質性肺炎 (以下IIP) を経験し, 免疫組織染色を含めて検討を行った. 主訴は咳嗽, 呼吸困難であり, 胸部X線上, 間質陰影を下肺野優位に認めた. 肺機能は%VC54%, 1秒率79%, PaO2 89.6Torrであった. 血清学的検査では抗核抗体, RA因子, Jo-1抗体等は陰性であった. 発症より1年半後の肺生検組織像はUIPに合致しておりIIPと診断した. 免疫組織染色による検討では, 肺組織中線維化の高度な部位に一致して, ICAM-1の発現増強を認めた. 20歳代のIIP発症は稀と考え報告した.