日本放射線技術学会雑誌
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7-III. ROC 解析法(画像評価法 [最終回] 7. 画像の主観的評価法)
久米 祐司
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1993 年 49 巻 4 号 p. 616-619

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抄録

ROC解析を用いることによって, 定性的になりがちな, 人間の視知覚系を通った画像の評価を定量的に測定することができる.このことは, 人体の微小な病巣を発見するために有効なX線撮影系をさがしたり, 画像を作成する上での効果的な評価方法になる可能性がある.しかし, ROC解析の対象とする信号が微小信号, 言い換えれば弱信号に限定され, 強い信号(強信号)には適用できない点に注意する必要がある.ROC解析では, 弱信号のときは信号そのものを検出できるかできないかが計測の対象となり, 検出した信号の質, つまり形, 大きさ, 性状などは問題としていない.しかし, 医用画像では病変の検出だけでなく, 病変の質, 形, 大きさ, 性状なども重要な因子となり得る.ただ, 医用放射線画像の役割の中で, 初期あるいは早期の病巣(多くの場合, 小さな病巣)を早くみつけだすことが重要となっているその現状を考えると, 人間の視覚特性を含んだ放射線画像を定量的に評価できるROC解析の役割は, ますます大きくなる可能性があると考えられる.

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© 1993 公益社団法人 日本放射線技術学会
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