2026 年 82 巻 5 号 論文ID: 26-1649
【目的】本研究では,日本人患者の胸部領域を対象に,AI自動輪郭描出ソフトウェアContour+(MVision AI Oy, Helsinki, Finland)の輪郭描出精度を定量的・視覚的に検証し,その臨床的妥当性を評価した.【方法】肺病変を対象とした放射線治療症例10例に対し,Contour+を用いて両肺,気管,気管支,食道,脊髄,心臓をAI自動輪郭描出した.描出結果を3名の評価者が5段階スコアで視覚的に評価し,修正後の参照輪郭を基準としてdice similarity coefficient(DSC),Hausdorff距離(HD),体積変化量を算出した.【結果】全症例においてAI自動輪郭は「限定的な修正で臨床使用可能(スコア3以上)」と評価され,平均スコアは4.4であった.平均DSCは,肺1.00,気管0.99,気管支0.91,食道0.86,脊髄0.99,心臓0.99と高い一致を示した.平均HDは,気管支5.68 mm,食道8.72 mm,心臓3.30 mmであった.修正後の平均体積変化量は気管支4.02 cc,食道2.55 cc,心臓2.58 cc,であった.【結語】AI自動輪郭描出ソフトウェアContour+は,日本人胸部症例において主要臓器に対して高い幾何学的一致度と臨床的妥当性を示し,放射線治療計画における輪郭描出の負担軽減および標準化に寄与し得ることが示唆された.