日本放射線技術学会雑誌
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腹部造影CTにおける発泡剤の内服による血管の造影効果の向上
山中 良太 都能 和俊
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論文ID: 2023-1345

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抄録

【目的】胃の術前造影computed tomography(CT)において,発泡剤を内服することで胃壁を伸展させ,腫瘍の深達度の評価が可能である.しかし,発泡剤が動脈や静脈,門脈,肝静脈の造影効果に与える影響についての報告はない.本研究の目的は腹部造影CTにおいて発泡剤が血管の造影効果に及ぼす影響を明らかにすることである.【方法】対象は発泡剤の内服の有無以外に撮影タイミングや造影剤の注入方法に違いのないプロトコルで造影CTを施行した胃または膵臓の術前の60症例であり,各症例の血管のCT値を計測した.【結果】発泡剤を内服した場合,左胃動脈,左胃大網動脈,右胃大網動脈,左胃静脈,左胃大網静脈,右胃大網静脈と門脈,肝静脈のCT値が有意に高くなった(p<0.01).【結語】腹部造影CTにおいて発泡剤を内服すると,左胃動脈,左胃大網動脈,右胃大網動脈,左胃静脈,左胃大網静脈,右胃大網静脈と門脈,肝静脈のCT値が高くなることが明らかになった.

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