症例は46歳, 男性. 平成15年7月, 黄疸が出現し近医に入院となった. 膵頭部近傍に6cm大の腫瘤が認められた. 門脈への浸潤が疑われ, 手術適応はないと判断された. 8月にセカンドオピニオンで当院に紹介入院となった. 精査の結果, 門脈浸潤を伴う十二指腸粘膜下腫瘍と診断され, 開腹手術が実施された. 門脈背側約3cmにわたり腫瘍の浸潤が疑われたため, 門脈合併切除を伴う幽門輪温存膵頭十二指腸切除術が実施された. 病理組織診断はparagangliomaであった. その後の画像検査で肝転移が疑われたため, 平成16年1月, 肝S6およびS5部分切除術が実施された. 病理組織診断はparagangliomaの肝転移であった. 現在, 第2回目手術から1年10カ月を経て再発なく生存中である.