日本臨床外科学会雑誌
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症例
2度の異時性再発に対し2度の手術をした下部胆管癌の1例
増田 亨濱口 哲也寺邊 政宏藤岡 正樹
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キーワード: 胆管癌, 胸壁転移, 腹膜転移
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2007 年 68 巻 1 号 p. 184-187

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抄録

胆管癌の術後再発は, 予後不良である. われわれは胆管癌切除後に異時性に胸壁転移と腹膜転移をきたし, 2度の切除後6年経過で無再発例を経験しえた. 症例は70歳, 女性. 主訴は発熱, 右季肋部痛. 平成10年当院に入院し, PTCD施行後胆汁細胞診の結果, 胆管癌と診断され, 平成11年2月膵頭十二指腸切除術を施行した. 高分化管状腺癌でリンパ節転移はなかった. 同12月PTCD挿入部の右胸壁に転移再発きたし, 胸壁腫瘍切除を行った. 病理結果は胸壁転移と診断された. 平成12年3月右腹部痛をきたし, 腹部CTで右下腹部に3カ所の腹膜転移を指摘された. 同4月右半結腸切除を行った. 病理結果は腹膜転移であった. 胆管癌の術後再発例でも切除にて本例のように予後良好なものがある.

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© 2007 日本臨床外科学会
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