日本臨床外科学会雑誌
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症例
上腸間膜動脈解離, 総肝動脈瘤を併存した早期胃癌の1例
上田 祐華呑村 孝之寺岡 義布史有田 道典岡本 有三吉岡 伸吉郎
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68 巻 (2007) 1 号 p. 81-85

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抄録

症例は56歳, 男性. 急性腹症で発症し上腸間膜動脈 (superior mesenteric artery : 以下SMAと略す) 解離と診断され, 同時に総肝動脈瘤も指摘されていた. 保存的治療で軽快し2年間, 経過観察中であったところ, 下血により胃癌が発見された. 今回, われわれは, 胃癌に対しては幽門側胃切除術を, 総肝動脈瘤に対しては瘤切除および血行再建術を行った. SMA解離は血栓化しているためそのままとした. 大動脈解離を伴わない孤立性のSMA解離は極めて稀な疾患である. また, 近年, 画像診断の進歩により総肝動脈瘤の発見は増えつつあるものの症状に乏しいため診断されにくく, 破裂時には救命率が低いと報告されている. われわれは, 孤立性上腸間膜動脈解離や, 総肝動脈瘤といったその一つのみを有していても稀な疾患を重複併存した胃癌手術症例を経験したので報告する.

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© 2007 日本臨床外科学会
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