68 巻 (2007) 10 号 p. 2543-2547
症例は84歳の男性で, 不明熱として発症して約2カ月後に消化管穿孔による腹膜炎のため緊急開腹手術となった. 小腸未分化癌の壊死穿孔による腹膜炎で, 広範囲にリンパ節転移を認めた. 術後25日で退院したが, 術後39日目に発熱を伴う癌性腹膜炎の状態で再入院し, 術後45日目に死亡した. 小腸未分化癌は病理組織学的にも診断は困難であり, 悪性リンパ腫やgastrointestinal stromal tumor, 平滑筋肉種などの間葉系腫瘍と鑑別する必要がある. 今回の症例は免疫染色によりCK-CAM5.2, vimentinが陽性であったことから未分化癌と診断しえた. 小腸未分化癌は症状が多彩で早期診断が困難と思われる. 本症例の経過からも不明熱は初期症状の一つとして念頭におく必要があると思われた.