68 巻 (2007) 10 号 p. 2595-2599
症例は74歳, 男性. 発熱, 腹痛を主訴に来院. 腹部理学所見上, 腹膜刺激症状を認め, 腹部CTにて, 少量の腹水と脾臓に多発する低吸収域を指摘された. 脾膿瘍の破裂による腹膜炎の診断にて, 緊急手術となった. 腹腔内には中等量の混濁腹水を認め, 脾臓は膵尾部と一塊になっていた. 脾下極には破裂した膿瘍腔が確認され, 脾摘, 膵尾側切除, 腹腔ドレナージ術を施行した. 切除標本の病理組織学的検索にて膵尾部に発生した中分化型管状腺癌の浸潤に伴う脾膿瘍と判明した. 膵癌に伴う脾膿瘍の発生は少なく, 文献的考察を加え報告する.