2007 年 68 巻 11 号 p. 2754-2757
症例は59歳, 男性. Behçet病およびCrohn病にて通院していた. 腹痛を主訴に入院し, 上部消化管内視鏡検査で早期胃癌と診断し, 内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD) を行った. 術中に穿孔し, CT検査で門脈ガス血症を認めた. 腹痛が持続したため, 緊急に胃全摘術を施行した. ESD後に発症した門脈ガス血症は腸管壊死を伴う重篤な門脈ガス血症と異なり, 病態の重症度を表してはいないと考えられるが, 重症化の可能性もあり, より厳重な経過観察が必要であると思われた.