日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
閉塞性黄疸にて発症したCA19-9産生十二指腸癌の1例
鳥越 貴行宮下 薫福田 進太郎佐野 文
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 68 巻 11 号 p. 2764-2767

詳細
抄録

閉塞性黄疸にて発症したCA19-9産生十二指腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は68歳, 女性. 褐色尿, 胸やけを主訴に当院内科を受診. ビリルビン・肝胆道系酵素の上昇, 血中CA19-9の高値 (425.2U/ml) を示し, 腹部CT検査にて約2cm大の膵頭部腫瘍を認めた. 閉塞性黄疸をきたした膵頭部癌の診断にて減黄処置後, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 病理組織学的検査にて膵浸潤を伴う原発性十二指腸癌と診断した. また抗CA19-9抗体による免疫組織染色にて腫瘍細胞は陽性に染まった. 閉塞性黄疸にて発症した原発性十二指腸癌は膵浸潤を伴い進行例がほとんどであるが, 積極的な外科的切除にて予後の改善が期待できる.

著者関連情報
© 2007 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top