日本臨床外科学会雑誌
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症例
内視鏡下乳腺切除を行った一側性女性化乳房の1例
藤井 秀則青竹 利治川上 義行田中 文恵広瀬 由紀松下 利雄
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キーワード: 女性化乳房, 内視鏡手術
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2007 年 68 巻 12 号 p. 2957-2960

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抄録

症例は19歳, 男性. 2年前より成人女性乳房に近い著明な右乳房の腫大を認め, 右の片側女性化乳房と診断され他院でホルモン加療を受けたが軽快しなかった. 画像診断で腫瘤は認めず2年以上の経過を経ていることから手術適応と判断した. 仰臥位, 患側上肢はやや挙上した体位で, 乳房外側に11mmトロッカーを挿入し気嚢圧6mmHgでCO2送気し視野を確保した. カメラ挿入部の頭側と足側に5mmのポートを挿入し, 乳腺の背側で大胸筋との間を剥離し, ついで皮膚と乳腺の間を剥離した. 術後瘢痕変形を予防するため乳輪直下では約1cm幅程度で組織を残した. 術中術後ともに出血はほとんど無く術後4日目に退院した. 術後の形態は良好で術後1年目には乳房の左右差は無く, 術後2年目現在再発は認めていない. 創部は目立たず患者の満足が得られ有効な手術法と考えられた.

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© 2007 日本臨床外科学会
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