日本臨床外科学会雑誌
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症例
経過中に増大し, 胸膜剥皮術を施行した円形無気肺の3例
丸野 誓子河内 利賢中里 陽子古屋敷 剛輿石 義彦呉屋 朝幸
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キーワード: 円形無気肺, 胸膜剥皮術
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2007 年 68 巻 12 号 p. 2982-2986

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抄録

経過中に腫瘤径が増大したため, 確定診断を外科的手技にて行い, 治療として胸膜剥皮術を施行した円形無気肺の3例を経験したので報告する. 症例1 : 71歳, 男性. 胃癌の術後経過観察中に胸部X線にて腫瘤影を指摘され, 1年間で明らかな増大を認めた. 胸腔鏡手術で円形無気肺と診断し, 胸膜剥皮術を施行した. 症例2 : 72歳, 男性. 検診で右横隔膜に接する腫瘤を指摘, 増大傾向を示したため胸腔鏡を施行した. 組織学的に円形無気肺と診断し, 胸膜剥皮術を行った. 症例3 : 73歳, 男性. 左下葉の円形無気肺に対し左下葉切除を施行後, 3年後右側にも円形無気肺が出現し, 胸膜剥皮術を施行した. 肺剥皮後の経過はいずれも良好で, 肺は拡張し, 無気肺の再発はみられていない. 円形無気肺は増大傾向を示すことがあり, 肺癌との鑑別が重要である. 治療法として胸膜剥皮術が有用である.

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© 2007 日本臨床外科学会
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