日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵胆管合流異常を伴った成人輪状膵の1例
野村 尚弘竹田 伸野本 周嗣金住 直人杉本 博行中尾 昭公
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2007 年 68 巻 12 号 p. 3077-3082

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抄録

症例は61歳, 男性. 平成18年7月中旬より食思不振, 嘔吐が出現し近医を受診. 上部消化管内視鏡にて十二指腸下行脚の狭窄を認め, 腹部CTでは胃・十二指腸球部の著明な拡張と十二指腸下行脚を全周性に取り囲む腫大した膵頭部を認めた. 輪状膵による十二指腸狭窄と診断され治療目的に当院へ紹介となった. さらにMRCPにて膵胆管合流異常が疑われた. 以上より膵胆管合流異常を伴った輪状膵の診断で9月中旬に手術を施行した. 開腹すると, 十二指腸下行脚に約1cmの幅で非常に固い膵実質が全周性に取り巻き下行脚が狭窄していた. 術中胆道造影にて膵胆管の共通管が約1.5cmあり, 膵胆管合流異常と診断した. 総胆管は非拡張型だったため分流手術は施行せず, 胆嚢摘出術および十二指腸十二指腸吻合を施行した. 輪状膵は他の先天性奇形を伴うことが多いが, 膵胆管合流異常の併存は稀であり, 若干の文献的考察を加えて報告する.

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© 2007 日本臨床外科学会
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