日本臨床外科学会雑誌
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症例
緊急開腹手術中にアナフィラキシーショックをおこしたラテックスアレルギーの1例
小澤 悟堀田 司岩橋 誠東口 崇山上 裕機
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2007 年 68 巻 12 号 p. 3126-3129

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抄録

症例は61歳, 女性. 下腹部痛, 発熱を主訴に当院を受診した. S状結腸憩室炎による腹腔内膿瘍の診断のもとに緊急開腹術を施行した. 手術開始15分後より, 突然血圧およびSO2が低下し, 全身に発赤を認めた. アナフィラキシーショックと診断し, 加療により1時間程度で全身状態は回復した. 術中使用した麻酔薬や抗生物質の薬剤アレルギーを疑い検査を施行したがいずれも陰性であった. 問診より患者は天然ゴム手袋による痒みを自覚したことがあった. また, ラテックスに対する特異抗体価が0.56UA/mlと上昇しており, 結果として術者手袋に含まれるラテックスが原因のアナフィラキシーショックであることが示唆された. 天然ゴム製品を排除して根治術を行ったところ, アナフィラキシーショックは起こらなかった. 詳細な問診によりラテックスアレルギーの既往やハイリスク患者を割り出し, ラテックス除去環境での手術を行う必要があると考えた.

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© 2007 日本臨床外科学会
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