日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝細胞癌の血行性転移による胃腫瘍の1切除例
大隈 和英上島 成幸水谷 伸打越 史洋大山 司仲原 正明
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68 巻 (2007) 5 号 p. 1133-1137

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抄録

肝細胞癌 (hepatocellular carcinoma ; 以下, HCC) の再発時に偶然発見された, HCCの転移性胃腫瘍の1切除例を報告する. 症例は70歳, 男性. 3年前のHCCの初発時に肝部分切除が行われた以降, 再発を繰り返していた. 平成16年11月にHCC再発と診断され, 貧血の原因精査のための上部消化管内視鏡検査にて胃体中部大彎に2型腫瘍を指摘された. 組織診断と免疫染色にてHCCの胃転移と診断され, 同年12月に胃局所切除およびラジオ波焼灼術が施行された. 胃漿膜面は平滑で可動性を有する隆起性の円形腫瘤を認めた. 術後組織診断上, 粘膜層から粘膜下層にかけ境界明瞭な充実性病変で, 静脈浸潤を認めた. HCCはEdmondson IV型であった. 以上からHCCの血行性胃転移と診断された. HCCの胃転移は稀で, 中でも血行性転移は本邦での報告は極めて稀である. 自験例に文献的考察を加えて報告する.

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© 2007 日本臨床外科学会
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