68 巻 (2007) 6 号 p. 1388-1392
極めて稀な男性の非触知性乳管内乳頭腫を経験したので報告する. 症例は50歳, 男性. 右血性乳頭分泌を主訴とし当科受診した. 右乳頭に単孔性の血性分泌を認めたが, 右乳房に腫瘤は触知せず, マンモグラフィと乳房超音波診断でも腫瘤陰影や石灰化像は認めなかった. 乳汁分泌細胞診はClass III (suspicious) で組織診断が望まれた. しかし, 局在診断が困難で針生検ができなかったため, 病理組織診断目的で乳輪を温存した乳頭および乳腺全摘術を行った. 切除標本でも腫瘤は触知しなかったが, 固定切除標本の連続細割面では0.5×0.3cm大の嚢胞内乳頭状病変を認めた. 病理組織診断は乳管内乳頭腫で悪性所見はなかった. 術後乳房は若干陥凹したが整容性には大きな問題なく, 現在術後10カ月経過しているが再発徴候はない.