68 巻 (2007) 6 号 p. 1568-1572
症例は67歳, 女性. 平成18年10月宿便による腸閉塞の診断で当院入院となった. 入院12時間後に状態が悪化したため, 腸管壊死を疑い緊急手術施行. 直腸から横行結腸までの切除を行った. 手術2日後, 人工肛門の粘膜が壊死をきたしたために再手術施行. 残存結腸および終末回腸約30cmの切除を行った. 腸間膜動静脈に器質的閉塞を認めなかったこと, 腸管壊死が非連続性であったこと, 病理組織学的に腸管の壊死, 出血を認めたことより非閉塞性腸間膜虚血症 (NOMI) と診断した. NOMIは理学所見が非特異的であり、症状も緩慢に経過することが多いため重篤感に欠けることがある. これがしばしば診断を遅らせる一因となり, この疾患の予後が悪い原因の一つにもなっている. 救命率向上のためには可逆的虚血症段階で本疾患を念頭において診断・治療を開始することが重要である.