日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝原発脂肪肉腫の1例
紺谷 忠司嶋田 浩介岩倉 伸次堂西 宏紀田村 耕一青木 洋三
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キーワード: 肝臓, 脂肪肉腫
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2007 年 68 巻 7 号 p. 1765-1769

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抄録

脂肪肉腫は, 軟部悪性腫瘍の中では5~30%をしめ, 好発部位は四肢, 特に大腿および臀部や後腹膜で, 肝臓に発生するのは極めて稀である. 今回われわれは肝外側区域に発生した脂肪肉腫の1例を経験した. 症例は71歳の女性で, 心窩部痛を主訴に受診し, 右肋骨弓下に20cmにおよぶ腫瘤を触知したため入院となった. 精査の結果, 肝原発の腫瘍と判断し肝左葉切除を行った. 病理組織診断の結果, myxoid liposarcomaで免疫染色は陰性であった. 一般的に脂肪肉腫の治療は外科的切除が第一選択とされるが, 肝原発脂肪肉腫は非常に稀な疾患で, 報告例もほとんどないため, 治療法や予後については明確にされていない. 本症例を含め, 若干の文献的考察を加えて報告した.

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© 2007 日本臨床外科学会
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