2007 年 68 巻 7 号 p. 1811-1815
症例は43歳, 男性. 脱水症にて内科入院中, 腹部CT検査で約11cmの骨盤内腫瘍を認めた. MRI検査では腫瘍内部は高信号と低信号が混在していた. 注腸検査にて直腸を壁外性に圧排する所見を認めた. 経皮的針生検を施行し, solitary fibrous tumor (SFT) と診断された. 直腸損傷なく腹仙骨式に腫瘍を摘出した. 摘出標本では腫瘍は大きさ11×7×6cm, 重量280gの充実した多結節な弾性硬な腫瘍であった. 組織学的検査では紡錐形細胞が増殖しており, 免疫組織化学検査でCD34が陽性であった. 術後経過良好で合併症なく退院術後4カ月無再発生存中である.